布団とは? 自由自在に折り畳める不思議な寝具

What is Futon Magical and freely foldable bedding ザ・ミニマリスト

日本の伝統的な寝具ふとん(布団)は、日本人の生活でとても馴染み深いものです。布団は、柔軟性があり快適で、小さく折り畳めるのが大きな特徴です。

布団の目的

床に直に横たわって眠りに落ちて、ふと起きたら体が寒かった、あるいは痛くなっていたという経験がある人は多いでしょう。布団は快適に眠れるようにするためのものです。弾力性があり、体重を分散して体が痛くなるのを防ぎます。また、保温性があるので暖かく快適に眠ることができます。

布団の構成要素

基本的な構造は、布を縫い合わせた袋に詰め物が入っています。詰め物は伝統的には木綿が多く、他には羽毛、羊毛などの自然素材でした。現在では、ポリエステルやポリウレタンといった合成素材も用いられるようになっています。型崩れを防ぐために綴じ糸やキルティングが施されている場合もあります。

また、清潔に保つために布団全体を覆うカバーや布団に上から被せるシーツが併用されるのが一般的です。カバーやシーツは、取り外して頻繁に洗濯することができます。

敷き布団:

床や畳の上に直に敷きます。寝る際に体重を支えるために高密度に作られています。敷布団の厚さは概ね5~10 cmです。

掛け布団:

敷き布団の上に掛けて体を覆い保温する役割があります。体の丸みを包み込めるように、幅が広くなっています。毛布や羽毛布団など、低密度で軽く空気を多く含むものが好まれます。

布団の素材

布団の素材は、自然由来の伝統的な素材と合成的に作られた人工素材に大別されます。また、両方を混合させて、新たに開発された素材もあります。

天然繊維

木綿:

伝統的な布団の素材で、柔らかく通気性がよく快適な寝心地です。綿布団は洗濯が簡単で、清潔さを保てます。

羽毛:

鳥の羽毛は軽量で保温性があるため、掛け布団の素材に向いています。鳥は空を飛ぶために軽いことが重要であるため、羽毛はとにかく軽いです。まれに過敏性肺炎(アレルギー性肺炎)を引き起こすとされています。

羽根:

中心に羽軸がある硬めの羽根(フェザー)は、羽毛(ダウン)と同じ水鳥由来の素材ですが、羽根はやや重さがあります。

羊毛:

羊毛(ウール)は弾力があり、保温性と発散性に優れています。難燃性のため、火事の際に火が燃え移りにくく安全です。羊毛は、毛布の素材としても使われます。

化学繊維

ポリエステル:

合成繊維のポリエステルは耐久性があり、通気性に優れています。カビやダニといったアレルギー対策に向いています。

ポリプロピレン:

強度が高く耐熱性があります。カビやダニといったアレルギー対策に向いています。

ポリウレタン:

ウレタンとも呼ばれます。断熱性が高く、復元性に優れています。製造時に硬さや形状、密度、反発性などを細かく調整可能です。

布団の種類

綿布団

綿で作られた布団は、最も伝統的です。綿は柔らかく湿気を吸収し通気性があるため、寝具に広く使用されています。

羊毛布団

羊毛(ウール)は、羊から得られる毛です。空気を含んだ繊維構造で保温性に優れ、とりわけ寒い季節に適しています。

羽毛布団

羽毛(ダウン)が50%以上だと、羽毛布団になります。軽くて暖かく、高級な掛け布団でよく見かけます。

羽根布団

羽根(フェザー)が50%以上だと、羽根布団になります。

化繊布団

化学繊維布団は、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリプロピレン、ポリウレタンといった人工的に合成された繊維の布団です。耐久性や柔軟性に優れ、価格が手頃な傾向があります。

抗アレルギー布団

アレルギー反応を引き起こす可能性が低い素材の布団や、特殊な抗アレルギー加工を施した布団です。ハイポアレルゲニック(アレルギーを引き起こす可能性が低い)素材にはポリエステルやナイロンなどの化学繊維、羊毛といった自然繊維があります。布団の表面からダニやカビを防ぐカバーが付いているものもあります。このように様々な方法で、アレルギー物質であるダニやカビを抑制します。なお、あまり知られていませんが、羽毛(ダウン)にアレルギー反応を起こす人もいます。

洋布団

ベッド用のマットレスや掛け布団などを外来語を使わずに洋布団と呼ぶことがあります。

和布団

布団はそもそも日本のものですが様々な布団が登場しているため、あえて純和風であると強調するために和布団と言うことがあります。

ふすま(衾)

古典文学に見られる、ふすま(衾)は、平安時代(794年~1185年)等によく用いられた夜具です。「ふすま」または「きん」と呼ぶ場合があります。長方形の布で、現在でいうところの掛け布団のことです。

あつぶすま(厚衾・厚被)

一般的な布団は薄手に作られていますが、あつぶすま(厚衾・厚被)は厚く作った布団のことです。もしくは、布団を重ねて厚くしたものも、あつぶすま(厚衾・厚被)と呼ぶことがあります。

かみぶすま(紙衾)

「かみぶすま」または「しきん」と呼ぶ場合があります。近年では、かみぶとん(紙布団)とも呼ばれます。わし(和紙)で作った夜具です。袋状にして、紙と紙の間にわら(わらしべ)や木綿を入れて厚みをもたせる場合もあります。丈夫で軽いため、持ち運びに便利です。また比較的安価なため、庶民でも容易に手に入れることができました。素材に使われる和紙は、柔軟性と耐久性がある植物繊維でできており、大事に扱えば1000年以上も保存できます。和紙の中でもとりわけ、かみこ(紙子)は、文字を書くだけではなく、布や衣類としても使えるように、さらに丈夫に作ったものです。

布団の寸法

布団の寸法は、日本国内でも関西や関東など地域によって差異がありました。しかし、20世紀の末期頃になると全国的な流通網が整備され消費者の利便性を高めるために、地域による違いはあまり見られなくなりました。

伝統的には着物にも使われる生地である反物の幅が37 cm前後で、それを3枚縫い合わせた、みはば(三巾)がシングルサイズの幅とされていました。

また、時代とともに日本人の体格が大きくなってきたことから、布団の寸法も大きくなっています。

布団の寸法は、一般的なものもありますが、特に決まっているわけではありません。業者によって異なり、ニーズに応じて様々なサイズのものがあります。なお、日本産業規格(JIS)では、布団のサイズを次のように定めています。長さは掛け布団と敷布団で同じですが、掛け布団では幅が広くなっているのが分かります。

日本産業規格(JIS)の布団サイズ:

掛け布団

一般用

S:135 cm × 195 cm

M1:150 cm × 195 cm

M2:160 cm × 195 cm

L1:150 cm × 210 cm

L2:160 cm × 210 cm

SW:170 cm × 210 cm

W:180 cm × 210 cm

子供用

B1:88 cm × 120 cm

B2:135 cm × 160 cm

夏掛用

Su:120 cm × 160 cm

敷布団

一般用

S:90 cm × 195 cm

M:100 cm × 195 cm

L:100 cm × 210 cm

SW:125 cm × 210 cm

W:135 cm × 210 cm

子供用

B1:71 cm × 120 cm

B2:88 cm × 160 cm

布団の使い方

布団は、寝る際に床や畳の上に直に敷きます。敷布団と掛け布団の間に体を挟むようにして横たわり眠ります。和風の風情があるため、和室や和風の旅館でよく用いられます。

日本の伝統家屋は、開放的で多目的な構造になっています。湿気が多いため、布団を敷きっぱなしにすれば、湿気がたまりカビが生えやすいため、頻繁に動かすのは理にかなっています。晴れた日に天日干しも行われます。その際に風で落ちないように、布団ばさみを使うことがあります。布団乾燥機を使うと、ダニの除去にも有効です。

折り畳んだ布団は床や畳の上に置いていたのですが、やがて押入れに収納するようになりました。ですので、日本の押入れは布団が入るように大きなサイズになっています。押入れはマンガのキャラクター、ドラえもんが寝室として使っていることでも有名です。猫型ロボットが寝起きできるくらいのスペースがあるということです。

日本は湿度が高く床や畳から湿気が伝わりやすいですが、押入れの中段や上段に布団を入れることで湿気を避けることができます。

また、収納することで部屋をより広く使えますし、来客があっても居間のように整った印象を与えることができます。

布団は柔軟性があり、使わない時は折り畳んで押入れ等に収納できるのが大きな利点といえます。

収納性に優れた布団ですが、長期間にわたり使わない場合に、布団圧縮袋に入れて空気を抜いて、かさを減らすこともあります。

布団をひとまとめにして持ち運ぶ場合には、大風呂敷や布団袋が使われます。

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布団の成り立ち

布団の原型となったものの一つは、着物から発展した掻巻。つまり、家具ではなくて衣服であったため、使用しないときに押入れに仕舞うのは、何ら不思議ではないでしょう。

もう一つの起源は、がま(蒲)で作られた円形の敷物です。どちらかというと現在の敷布団の原型でしょう。同じ「ふとん」でも、漢字では「蒲団」と書きました。「団」は「丸い」や「かたまり」といった意味合いがあります。現在では、素材に布が用いられているため「布団」と書くようになっています。

寝床は人類が誕生した頃からあると考えられますが、布団が現在の形になったのは比較的最近のことです。

畳が現在のような形になった奈良時代(710年~794年)、貴族や僧侶といった身分の高い人々は畳に直に横たわり着物を上から被せて寝ていました。

農民といった庶民は莚を敷いて上から、わらやかみぶすま(紙衾:和紙の寝具)を掛けるのが一般的でした。

衣類の流用ではなく、四角い掛け布団が使われ始めたのは江戸時代(1603年~1868年)の末期、つまり19世紀頃です。

明治時代(1868年~1912年)になると、素材に綿を使った布団も登場しました。

日本におけるベッド

ベッドは古代中国から入ってきましたが、一部の上流階級が使った形跡があるものの、日本全体には普及しませんでした。

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布団の異なる解釈

日本国外でも「Futon」という言葉は使われていますが、これは日本の布団とは異なり、ソファーベッドや布団風のベッドであったり、布団風のマットレスの場合もあります。つまり、おなじ「フトン」という言葉でも日本国内と日本国外では、人々が思い描くものにズレが生じているということです。

布団の西洋化

伝統的な日本の布団の様式や機能、デザイン等を取り入れながら、西洋の寝具の要素を組み合わせたものです。畳の上ではなくベッドフレームの上で使用したり、西洋風のシーツや掛け布団カバーを使用したものもあります。布団が日本国外に伝わり、日本国外で生まれたものと、日本の生活様式が西洋化して日本で生まれたものがあります。これは文明開化以来、盛んになったいわゆる和洋折衷の発想です。

1980年代に北米で、布団風のプロダクトが流行しました。それは日本の布団ではなく、低めに設計されたソファーベッドでした。日本の布団は床や畳の上に敷くので、高さが近づいています。また、布団は折り畳めることが特徴ですが、ソファーベッドは平らにしてベッドにしたり、背もたれを起こしてソファーにすることができるため若干、折り畳める要素が入っています。しかし、西洋のいうところの「Futon」を日本に持っていっても、ふとん(布団)と認識する人は、まずいないでしょう。

実は、ベッド文化圏にも布団に似たものがあります。マットレストッパーです。その名の通り、マットレスの上に敷く、薄手の寝具です。ただし、ベッドの上で休むという就寝様式が、根本的に変わるようなものではないでしょう。

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著者:長田拓也 Takuya Nagata. Amazon Profile

小説作家、クリエーター。英国立大学UCAを卒業。卒業論文では、日本のミニマリズムについて論じた。エコロジーやライフスタイル等、社会の発展に寄与するアート・ムーブメント『MINIRISM』(ミニリズム)の創設者。後にナレッジハブ「The Minimalist」(ザ・ミニマリスト)をオープン。

かつてブラジルへサッカー留学し、リオデジャネイロにあるCFZ do Rio(Centro de Futebol Zico Sociedade Esportiva)でトレーニングに打ち込む。日本屈指のフットボールクラブ、浦和レッズ(浦和レッドダイヤモンズ)でサッカーを志し、欧州遠征。若くして引退し、単身イングランドに渡った。スペイン等、欧州各地でジャーナリスト、フットボールコーチ、コンサルタント等、キャリアを積む。ダイバーシティと平等な社会参加の精神を促進する世界初のコンペティティヴな混合フットボール「プロプルシヴ・フットボール」(プロボール)の創設者。

クリエーティヴ系やテクノロジー畑にも通じる。スペース カルチャー & エンターテインメント ハブ『The Space-Timer 0』をローンチ。

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